レッドオーシャンかブルーオーシャンか ― スタートアップの戦い方を考える
レッドオーシャンか、ブルーオーシャンか。
事業を始めるときによく使われる言葉に、レッドオーシャンとブルーオーシャンがあります。
競合がひしめき合う赤い海か、競合がいない青い海か。
多くの起業家が「ブルーオーシャンを狙え」と口にします。
けれど実際に飛び込んでみると、それは海ですらなく、まだ水のないドライランドのような場所であることも少なくありません。
確かにそこにはイノベーションの種がある。
けれど「海」と呼べるほどの市場がまだできあがっていない。
一方でレッドオーシャンには、確かに競合がいる。
しかし、そこにはすでに水=市場があるのです。
だからこそ僕は最近、考えを変えつつあります。
「ブルーオーシャンを見つける」よりも、レッドオーシャンでの勝ち方を考える方が、スタートアップにとって現実的なのではないかと。
レッドオーシャンにこそ、ディスラプションの余地がある
レッドオーシャンに飛び込むと、当然プレイヤーは多い。
でも彼らには事情がある。
- 既存顧客を守る責任
- 既存プロダクトを維持するコスト
- 社内調整や既得権益
これらの理由から、スピードを出しづらいのです。
もちろん正当な理由だし、理解もできる。
けれど市場は待ってくれない。
テクノロジーと共に加速度的に進化していく。
だからこそ、ここにスタートアップの勝ち筋がある。
レッドオーシャンの中で、スピードで勝ち抜き、ディスラプションを起こす。
これは今の時代のスタートアップにとって、最も現実的で、最も大きなチャンスだと思っています。
もちろん、大きな資金を持ち込んで「雨を降らせる」スタートアップもあります。
潤沢な資金を背景に、一気に市場を塗り替えていく戦い方です。
ただ、正直に言えばそんな大金をスタートアップに預けてくれる投資家は多くありません。
普通に考えればリスクが大きすぎる。もちろん、たまには例外的にいるのですが。
だからこそ、僕らのような多くのスタートアップにとっては、資金に頼らない戦い方を見つけることが大切になる。
その武器の一つが、やはりスピードです。
ブルーオーシャンを夢見ることは悪くない。
でも、そこがまだ「海」になっていないなら、それはただの砂漠に立っているだけかもしれない。
一方でレッドオーシャンには、すでに確かな市場がある。
スピードと集中力を武器にすれば、資金で雨を降らせなくても、スタートアップは十分に勝負できる。
そんなことを、最近よく考えています。