Azure App ServiceへのBlazorアプリのデプロイ|ASP.NET×Blazor入門 12.2
12.2 Azure App Serviceへのデプロイ
アプリケーションがある程度完成したら、インターネット上に公開してユーザーに届ける必要があります。 Blazorアプリのデプロイ先としてもっとも相性がよいのが、Microsoftが提供するクラウドホスティングサービス「Azure App Service」です。
App Serviceとは?
Azure App Serviceは、ASP.NETやNode.js、PythonなどのWebアプリケーションを簡単にホストできるPaaS(Platform as a Service)です。 手動デプロイやCI/CDとの連携、スケーリング、SSL証明書の管理など、実運用に必要な機能が揃っており、 特に.NET製のアプリケーションとは親和性が高く、Visual StudioやGitHub Actionsとの統合もスムーズです。
前提条件
- Microsoft Azureのアカウント(無料枠あり)
- Azure CLI(またはVisual Studioの発行機能)
- デプロイ対象のBlazorアプリ(ServerまたはWASM)
Visual Studioからのデプロイ手順(Blazor Serverの場合)
- ソリューションを右クリック → 「発行」
- 「Azure」→「Azure App Service (Windows)」を選択
- 新規作成または既存のリソースグループとApp Serviceを選択
- 構成を確認し、「発行」をクリック
Visual Studioが自動的にビルドし、Azureへデプロイします。完了後、ブラウザが立ち上がり、公開サイトが確認できます。
コマンドライン(Azure CLI)からのデプロイ(WASMの場合)
WASM版Blazorアプリは静的ファイルなので、App Serviceの Static Web Apps や Blob Storage にホストすることも可能ですが、App Serviceを使う場合は次のようにします。
dotnet publish -c Release
az webapp up --name myblazorapp --resource-group myresourcegroup --location japaneast
デプロイ先のApp Serviceは自動で作成され、指定されたアプリケーションが公開されます。パラメータは適宜調整してください。
WASM特有の注意点
- ルーティングのために
web.configでfallback設定が必要 - 静的ファイルとして配信されるため、APIとの通信はCORSやHTTPSの設定を考慮する
動作確認とトラブルシュート
- App Serviceの「診断と解決」からログや障害原因を確認
- Web Appの「構成」→「アプリケーション設定」で環境変数を調整
Azureを使えば、スケーラブルで高可用なWebアプリを手軽に公開できます。
次のセクションでは、継続的インテグレーションとデリバリー(CI/CD)を使って、自動デプロイを実現する方法を見ていきましょう。
下田 昌平
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