1.4 Pythonのリスト・タプル・辞書・集合

1.4 コレクション型:リスト・タプル・辞書・集合

プログラムでは複数のデータをまとめて扱う場面がよくあります。Pythonではそのために「コレクション型」と呼ばれる4つの基本的なデータ構造が用意されています。

  • リスト(list):順番あり・変更可能
  • タプル(tuple):順番あり・変更不可
  • 辞書(dict):キーと値のペア
  • 集合(set):重複なし・順番なし

それぞれ特徴が異なり、目的に応じて使い分けることで、データの整理と操作が効率的になります。

リスト(list)

fruits = ["apple", "banana", "orange"]
print(fruits[0])   # apple
fruits.append("grape")

リストは順序があり、あとから要素を追加・変更・削除できます。

  • append():末尾に追加
  • insert():指定位置に挿入
  • remove():指定要素を削除
  • len():要素数の取得

タプル(tuple)

point = (3, 5)
print(point[0])   # 3
# point[0] = 10   # エラー:タプルは変更不可

タプルは一度作ったら中身を変えられません。位置情報や定数的な意味合いのデータに使われます。

辞書(dict)

person = {"name": "Alice", "age": 30}
print(person["name"])   # Alice
person["age"] = 31

辞書は「キーと値」のセットで情報を格納します。キーを指定して素早くアクセスでき、柔軟なデータ管理が可能です。

  • keys():すべてのキー
  • values():すべての値
  • items():キーと値のペア

集合(set)

colors = {"red", "green", "blue", "red"}
print(colors)   # {'blue', 'green', 'red'}

集合は重複を許さず、順序も保持しません。重複排除や集合演算(和・積・差など)に向いています。

a = {1, 2, 3}
b = {3, 4, 5}
print(a & b)  # {3}(積集合)
print(a | b)  # {1, 2, 3, 4, 5}(和集合)

使い分けのポイント

  • 変更したい順序付きデータ → リスト
  • 変更しない固定データ → タプル
  • 名前付きの情報 → 辞書
  • 重複のない集合的データ → 集合

これらの型を使いこなせるようになると、データを自然に整理でき、実用的なプログラムを書く力が身につきます。

次のセクションでは「型変換」や「型チェック」といった、Pythonの柔軟さを活かすテクニックについて学びます。

2025-01-10

下田 昌平

開発に関するインプットをアウトプットしています。