0.2 なぜ今Pythonなのか?需要が高まる理由をわかりやすく解説|Python入門
0.2 なぜ今Pythonなのか?
プログラミング言語は時代とともに流行が移り変わります。
かつてはC言語やJavaが圧倒的なシェアを誇っていましたが、ここ数年、あらゆるランキングで上位に登場している言語があります。それがPythonです。
学習者数、開発現場での採用率、求人件数、そして実際のプロジェクト数——いずれの観点でもPythonは急成長を遂げています。
なぜ今、Pythonなのでしょうか? その理由は、大きく分けて次の3つに集約できます。
1. AIとデータの時代に強い
第1の理由は、人工知能(AI)・機械学習・データ分析の中心にあるという点です。
Pythonは、こうした現代のホットトピックに強力なライブラリ群を提供しており、研究から実装、プロトタイプ作成まで幅広く使われています。
- NumPy / pandas:データ処理と数値計算の基盤
- scikit-learn:汎用的な機械学習アルゴリズムを簡単に試せる
- TensorFlow / PyTorch:ディープラーニングの世界標準ライブラリ
- Matplotlib / Seaborn:データの可視化とグラフ作成
これらのライブラリはPythonで統一されており、1つの言語を覚えるだけでデータ分析・AI分野に入門できるという大きな利点があります。
2. 書いて楽しい、学んですぐに使える
Pythonは、文法がシンプルで自然な英語に近いため、とにかく「書いていて楽しい」言語です。
たとえば、Pythonではリストをループするコードが以下のように書けます:
fruits = ['apple', 'banana', 'orange']
for fruit in fruits:
print(fruit)
他の言語では型の指定やループインデックスが必要なことも多いですが、Pythonではこのように「やりたいこと」がそのままコードになる感覚があります。
この親しみやすさが、「初心者が学び始めやすい」「実務でもプロトタイピングが早い」という大きな利点につながっています。
3. 初学者からプロまで、幅広い用途に使える
Pythonは教育用としても使われている一方で、Google、Netflix、YouTube、Meta(Facebook)などの巨大企業でも実際に使われています。
つまり、「初心者にも優しいが、上級者にも信頼されている言語」なのです。
実際、以下のような場面でもPythonは活躍しています:
- Web開発(Flask, Django)
- 自動化スクリプト・業務効率化(Excel処理、ファイル操作)
- APIやサーバー処理
- IoTやロボットの制御(Raspberry Piなど)
- 教育・学習用の教材開発
汎用性が非常に高く、学んだ知識をさまざまな方向に活かせるのがPythonの最大の魅力と言っても過言ではありません。
これからの時代に備える、最も現実的な第一歩
これからの時代、「文系でもAIを使いこなす」「マーケターがデータを分析する」「バックオフィス業務を自動化する」など、あらゆる分野で“少しだけコードが書ける”スキルが武器になります。
その中で、Pythonはまさに“現実的な選択”です。
使える場面が広く、情報が多く、コミュニティも充実している。学ぶ価値があり、学びやすい。
そんな言語が、いまのPythonなのです。
次のセクションでは、この本の全体構成と学習の進め方について紹介します。どのようにPythonを習得していくか、その地図を一緒に見ていきましょう。
下田 昌平
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