Blazorとは何か ― モダンWeb開発の選択肢|ASP.NET×Blazor入門 1.0

第1章:Blazorとは何か ― モダンWeb開発の新たな選択肢

Webアプリケーション開発の世界は、常に変化し続けています。
フロントエンドとバックエンドの役割分担、SPA(Single Page Application)の台頭、そして開発現場で立ちはだかる“言語の壁”――こうした流れの中で、.NET開発者の新たな希望として登場したのがBlazorです。

この章では、Blazorという技術がどのような背景で生まれ、何を目指しているのか、そして既存技術と比べて何が異なるのかを丁寧にひもといていきます。 「C#だけでWeb UIが書けたら」という多くの開発者の願いに、Blazorはどのように応えているのか――その本質を、以下の4つのセクションに分けて見ていきましょう。

1.1 Webアプリ開発の進化とBlazorの位置づけ

サーバーとクライアントの役割分離が進む中、「UIもロジックもC#だけで書けたら」という声が高まりました。
Blazorは、そうした開発者の願いに応える形で登場した技術です。本セクションでは、その誕生の背景や、現代Web開発の流れの中での位置づけを歴史的に振り返ります。

1.2 Blazorとは?ServerモデルとWebAssemblyモデルの違い

一言で「Blazor」といっても、その実体は2つに分かれます――Blazor ServerBlazor WebAssembly
両者は仕組みも用途も異なり、選択次第でアプリの構成や体験が大きく変わります。ここでは、それぞれの設計思想・利点・使いどころを明確に整理します。

1.3 Razor Pages / MVC / Blazor の違いと使い分け

「Razor Pages」「MVC」「Blazor」――いずれもASP.NETファミリーに属する技術でありながら、その思想や用途には違いがあります。
見た目が似ているがゆえに混同しやすいこれら3つの選択肢について、構造や実装方針を比較しながら、それぞれが得意とするシナリオを整理していきます。

1.4 なぜ今、Blazorが注目されているのか

JavaScript不要でSPAのような体験を提供できる――Blazorがもたらしたのは、開発者のワークフローを根底から変える可能性でした。
本セクションでは、従来のSPAとBlazorとの根本的な違いを掘り下げ、その「革新性」がどこにあるのかを開発者視点で考察します。

それでは、なぜ「C#でWeb UIが書ける」という発想が、ここまで支持を集めるようになったのか?
次のセクション 「1.1 Webアプリ開発の進化とBlazorの位置づけ」 へと進み、Blazor誕生の背景をたどってみましょう。

2025-04-02

下田 昌平

開発に関するインプットをアウトプットしています。